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プロフィール

【弁理士】今 智司

Author:【弁理士】今 智司
今(こん)知的財産事務所の所長ブログです。2011年1月に独立開業しました。MOT系弁理士です。知財はビジネスに役立たせてこそだ!と考え、技術、デザイン、ブランドの知財複合戦略を考えています。

今知的財産事務所

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新規事業の源にはいろいろありますが、その中の一つに大学の研究があります。例えば、古い話ですが、豊田合成の青色LEDは赤崎先生の研究がもとになっています(→豊田合成のHPはこちら。2017/4/17検索)。

他にもいろいろあると思いますが、大学の研究が新製品や新サービスの源になることは多々あるでしょう。

ただ、ここで気を付けなければならない点があります。

それが、大学と企業とでは射程が異なる、という点です。

何かというと、大学では基本的に研究が主目的で、必ずしも商業的なレベルまで研究結果を発展させることまで意図していません。中には製品開発レベルまで検討してくれる大学や大学の先生方もいらっしゃいますが、それでもやはり軸足は研究にあり、その研究タームは長期にわたります。

一方の企業は、期間の長短はあるにしろ、最終的には市場に製品・サービスを出すということを考えているので、大学における研究タームよりかなり短いタームで物事を考えています。

すなわち、大学におけるフェーズ(基本的には研究)と企業におけるフェーズ(基本的には開発)とが異なっているだけでなく、体に染みついている時間の感覚も異なります。

したがって、大学の研究を製品開発レベルまで持っていくには、企業側の相当の努力が必要です。

その際には、企業と大学との間で、フェーズの違い、お互いが考えている時間の違い等を擦り合わせる必要があり、この擦り合わせがないと、徐々にお互いの間に摩擦が生じていきます。

大学には様々な新規事業のネタが埋もれていると思いますが、それを事業化しよう、というときには企業側が積極的に大学と企業との間の溝を埋める努力が必要になってくると思います。その際には、その「ネタ」で、どのような社会を実現しようとしているのか、どのような価値を社会に提供していこうと考えているのか「大きな絵」を描き、それを共有することが成功の1つのポイントになってくると思います(その際に、デザイン思考が重要になってきます。)。

今知的財産事務所

2017/04/17(月) 17:59 | コメント:0 | トラックバック:0 |
 
知的財産権の取得・維持には費用がかかります。その一方で、知的財産権により経営上、どのような効果が出るのかについては見えにくいことが通常です。

したがって、費用がかかるお荷物に見られがちです。

しかし、このような見方は「受益」、つまり、自分たちがいかにして利益を得るのか?その利益を増大させるにはどうするか?という観点からの思考に偏っているのではないかと思います。

では、思考の偏りをなくすにはどうするか?

それは、「与益」を考えるということです。すなわち「与えるべき利益と用役を増大させる」※1という考えを軸におく、ということです。そうすることで、「与益から生じる受益を最適にする」※1という視点、つまり、巡り巡って自社に利益が返ってくる、という循環型の視点を持ったうえで、ビジネスシステムを構築することが、知財をうまく活用するための第一歩だと思います。

ドラッカーも「顧客はだれか?」を考える重要性を説いていますが、これも、ある意味「与益」を考えることに通じるのではないでしょうか。

現在、ある意味、流行りの多くの知財経営コンサルティングは、知財で利益を得る、というように、どうすれば自社が儲かるか?という視点に偏りすぎている気がします。

もちろん、利益を出す、利益を増大させるという点が重要であるのは当然です。

しかし、知的財産は社会に有用な価値をもたらすからこそ尊重される財産になり得るという面があり、また、もしイノベーションを興そうとするなら、正しいイノベーションの意味※2を考えれば分かるように、「与益」という観点がまず来なければイノベーションも起こせません。

この観点が抜け落ちてしまうと、早晩、(間違った)知財経営は行き詰まるのではないかと思います。

『与益』という観点から経営戦略を再検討する必要が、今後、出てくるのではないでしょうか。

そして「与益」を考える際、デザイン思考が重要になってきますが(デザイン思考について述べた本(共著)が出る予定なのですが、なかなか出ません…)、それは別の機会に。

今知的財産事務所


※1 菊池純一(2009)『経営に役立つ知財戦略 -なぜ、与益主義のシステムを提案するのか-』、特技懇(No.255)、27-35頁(2009年11月)
※2 世の中に社会や生活を変えるような新たな価値を提供し、社会にその価値が広まって初めて「イノベーションが起きた」と言えます。したがって、新技術を開発しただけではイノベーションになりません。

2017/04/10(月) 14:32 | コメント:0 | トラックバック:0 |
新規事業のネタや、ようやく把握した顧客ニーズを満たす製品・商品・サービスを提供するために必要な技術や知見等が自社内にあったり、自社で創り出すことができるのであれば苦労しませんが、なかなかそうはいきません。

そこで、外部から様々なネタや知見を仕入れる必要が出てきますし、外部と協力する必要が出てきます。

そのような「仕入れ先」、「協力先」の一つに、大学があります。いわゆる、産学連携ですね。

産学連携の際に必ず浮上してくる問題が、知的財産の取り扱いです。

大学と企業とでは、研究開発に対するスタンスや研究開発の「フェーズ」に対する認識が全く異なることが多いので、実際に共同研究する場合には、その認識の違いを丁寧に埋めていく必要があります。

その上で「共同研究契約書」を作っていくのですが、きちんとした産学連携本部が大学になかったり、知財部や法務部が実質的にない中小・ベンチャー企業では、このような契約書の作成が疎かになったり、古いひな形を使いまわしたりしてしまいがちです。

そこで、文部科学省が、大学と企業との間で締結する共同研究契約書のひな形(さくらツール)を、知的財産の帰属が大学にあるのか企業にあるのか、企業が独占的に使用できるのか非独占的にしか使用できないのか等の切り口から11の類型に分けて公開しています(→HPはこちら。2017年4月7日検索。)

文科省のホームページには解説付きのひな型もありますので、契約書の条文の意味も理解しやすくなっています。

このようなひな形を参考にすれば、これまで契約に労力を注げなかった中小・ベンチャー企業でも、なんだか分からないうちに契約してしまった、ということにはなりにくくなるのではないでしょうか。

ただし、文科省のホームページにも記載されていますが、ひな形はあくまでひな形です。実際には、上でも述べましたが、大学側と企業側とで認識の違いを丁寧に埋め、どのような契約がよいのかを詰めていき、その結果を契約書に反映させる必要があります。

このようなひと手間がないと、形があっても魂が入らないというか、実際に問題が起こった時に契約書が全く役立たず、ということになりかねません。

ひな形をそのまま使えばいいや、と思うかもしれません。確かに通常はひな形でも十分でしょう。しかし、将来、何が起こるのか予測できないのが常ですので、単に契約書を交わすだけでなく、お互いの信頼関係を築きあげるという意味でも、最初から認識の違いがあることを「認識」し、その違いを埋めていくプロセスが重要になってきます。

今知的財産事務所

2017/04/07(金) 11:06 | コメント:0 | トラックバック:0 |
 
まだ満開ではありませんが、桜も開花し、ようやく春らしくなってきました。

桜を見て「春らしい」と思うということは、ちょっとブランド的な面もあるかもしれません(桜の場合、特定の人のブランドではないですが。)。

以前、元々は商標の相談で来られたお客様でしたが、いろいろお話を聞くうちに、あるコンセプトに基づいて検討されている商品に、技術的な側面がある点が分かりました。

そこで、以下に述べますが商標だけではブランド構築における実体を守ることができないので、特許も検討できないか?ということになり特許出願もしました。

これまでその業界ではそれほど知財、特に特許に対する関心は高くはなかったのですが、そのお客様がその商品についてある展示会に出品した際、「これ、特許出してるのですか?」とこれまで受けたことのなかった質問を多数受けた、とのことでした。

これまで特許に関心がなかった分野でも、徐々に関心が出てきたのではないでしょうか(そして、それだけ魅力的な商品だからこそ、そのような質問が来たのでしょう。)。

その商品の技術的な特徴は、ある意味、パッと見である程度把握できます。商品名は商標でおさえることができたとしても、商品自体は商標では基本的におさえることができません。

とすると、名前を変えて商品が真似されるとブランド構築にも悪影響が出てしまいますが、特許でその商品をおさえることができれば、ブランド構築にも有効に活用できます。

つまり、ネーミングについて商標権を取得するだけではブランド構築はできません。

以前、当ブログでも書きましたが、ブランドは「顧客との約束」です。

まずどのようなことを約束できるのか?を考える必要があります。その上で、その約束を実現するために必要な「実体」は何か?その「実体」を実現するために必要な技術は何か?と考えると、その技術が特許の対象になる場合もある、ということです。

この「実体」をきっちり自分たちでコントロールできるようにしておかないと、ブランド構築もままなりません。そして、その「実体」について特許権や意匠権、場合によっては著作権がもしあれば、ブランド構築を強力に押し進めることもできるのではないでしょうか。

桜を見て「あ~春だね~」と人々に想起させるレベルはとても難しいですが、商標を見た人々に少しでも自分たちの商品・サービスを関連付けてもらえるようにするためには、商標以外の知財もうまく組み合わせて活用することも一手です。

今知的財産事務所

2017/04/03(月) 12:34 | コメント:0 | トラックバック:0 |
 
特許や商標について権利を取得すると登録証が特許庁から送られてきます。苦労して権利化に成功し、初めて手にした場合は、ちょっと感動するかもしれないですね。

さて、私は企業勤めの後、特許事務所に入り、2011年1月にいまの事務所を立ち上げて独立したのですが、実は、独立前は恥ずかしながら、実際の特許証や商標登録証を見たことがありませんでした。

というのも、昔勤めていた特許事務所では、特許等の書類を作成する人たちと事務の人たちとは分業されており、定型的な事務手続はすべて事務員さんが行っていたからです。

定型的な事務手続には登録証の受領や顧客への郵送等も入っていますので、これらを事務員さんが行っていると、必然的に私の所へは登録証は回ってこないわけです。

私の所へは、せいぜい、登録査定が来た程度の連絡ぐらいで、その先の登録料納付や登録証の受領、及び顧客への発送はノータッチでした。

ですので、独立して初めてお客様の特許証、及び商標登録証を手にしたときは、「おぉ、これが登録証か~」と思ったことをよく覚えています。

しかも、特許証と商標登録証とでは、紙の色が違うこともその時初めて知りました。

特許証の紙の色はクリーム色っぽい色なのですが、商標登録証は白色です。考えてみれば、商標には図案化された標章や色が施されたマーク等があるので、紙に色がついていてはまずいわけですね。

とまぁ、いまとなっては笑い話ですが、特許庁から登録証が送られてくるたびに、独立当初のことを思い出します。

今知的財産事務所

2017/03/27(月) 22:18 | コメント:0 | トラックバック:0 |
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