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ロウソクの特許


自然災害が頻発しています。「想定外」のことが普通に起きるようになってしまい、やはり、日ごろから備えておく必要があるな、と改めて思います。

我が家の非常用持ち出し袋には、LEDランタンだけでなくロウソクも入っています。いざというときには複数の手段があると安心ですね。

知財高裁で平成27年(行ケ)第10184号 審決取消請求事件という事件がありました。

この事件は、発明の名称が「ローソク」という特許(特許第4968605号)に対し、原告が特許庁に無効審判を請求したことに端を発します。

この事件はちょっと長いのですが、おおよそ以下のような流れです。

上記無効審判請求→特許権者が訂正請求→特許庁が審判請求が成り立たないと審決→原告がこれを不服として審決取消訴訟提起→審決取消判決→被告(特許権者)が特許庁に訂正請求→特許庁が訂正を認めた上、審判請求は成り立たないと審決→原告が本件審決取消訴訟提起、という流れになります。

結果、この裁判においては原告の請求は棄却されました(特許権が存続)。

この特許の訂正後の請求項1は、「ローソク本体から突出した燃焼芯を有するローソクであって,該燃焼芯にワックスが被覆され,かつ該燃焼芯の先端から少なくとも3mmの先端部に被覆されたワックスを,該燃焼芯の先端部以外の部分に被覆されたワックスの被覆量に対し,ワックスの残存率が19%~33%となるようこそぎ落とし又は溶融除去することにより前記燃焼芯を露出させるとともに,該燃焼芯の先端部に3秒以内で点火されるよう構成したことを特徴とするローソク。」というものです。

この特許では非常用というよりは、点火時間を短縮して人手を減らすといったような効果に焦点を当てたローソクが対象になっています(上記特許の特許公報の段落【0006】等参照)。

「ローソク」?とも思ったのですが、自然災害が立て続けに起こる昨今、こういった技術も大事にしていかなければなりません。

ところで、この裁判では、原告がPBPクレームだから明確性要件を満たさないと主張したのですが、「本件の特許無効審判において無効理由として主張されたものではなく,当該審判の審理判断の対象とはされていないものと認められるから,もとより本件訴訟の審理判断の対象となるものではなく・・・失当というほかない」とされていますが、裁判所は以下のように付言しています。

すなわち、裁判所は「本件発明の「該燃焼芯にワックスが被覆され,かつ該燃焼芯の・・・先端部に被覆されたワックスを,該燃焼芯の先端部以外の部分に被覆されたワックスの被覆量に対し,ワックスの残存率が19%~33%となるようこそぎ落とし又は溶融除去することにより前記燃焼芯を露出させる・・・ことを特徴とするローソク」という記載は,その物の製造に関し,経時的要素の記載があるとはいえるものの,ローソクの燃焼芯の先端部の構造につき,ワックスがこそぎ落とされて又は溶融除去されてワックスの残存率が19%ないし33%となった状態であることを示すものにすぎず,仮に上記記載が物の製造方法の記載であると解したとしても,本件発明のローソクの構造又は特性を明確に表しているといえるから,このような特段の事情がある場合には,PBP最高裁判決にいう不可能・非実際的事情の主張立証を要しないというべき」と判断しました。

記載上、経時的要素があったとしても、単に何らかの状態を示すに過ぎない場合はPBPクレームにはならない、と言えそうです。PBPクレームを書かざるを得ないときには、これも参考になりそうですね。

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【弁理士】今 智司

Author:【弁理士】今 智司
今(こん)知的財産事務所の所長ブログです。2011年1月に独立開業しました。知財はビジネスに役立たせてこそだ!と考え、技術、デザイン、ブランドの知財複合戦略を考えています。

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