FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

今後、特許が増える(かもしれない)分野の1つ


温水洗浄便器はすっかりデフォルトになった感がありますね。中には乾燥のために温風が出るものもありますが、きっちり乾かすにはやはり拭き取る必要がある気がします。

そんな特許も存在しています。

それが、特許5863081号、「臀部拭き取り装置」という発明の特許です。

この特許については大阪地裁で平成28年(ワ)第2818号 特許権侵害行為差止等請求事件という事件がありました。原告(特許権者)が被告の行為に対して差止請求、及び損害賠償を請求したのですが、技術的範囲に属することについては特に争われておらず、所定の臀部拭き取り装置及びそれを用いた温水洗浄便座を製造してはならないことが認められ、その他の請求(損害賠償等)は棄却されています。

この事件の被告は侵害対象物件について助成対象となっていたので保存義務が課せられていた一方で、侵害を逃れるためにその一部を取り外していました。

判決では「製造済みのロボット便座βを本件発明の技術的範囲に属しない状態にすることにより,展示等のおそれもないことをいわんとしているように考えられるが,上記状態では上記公法上の保存義務を果たしているといえないことは明らかであるから,むしろ,このことにより被告…には,関係官庁から保存義務を果たしていることの確認を求められた場合に,上記状態のロボット便座βに取り外した部品を取り付けるなどして製品として完成させるおそれが生じているものといわなければならず」と判断されました。

更に、「被告…が部品を取り外した状態のロボット便座βの部品を廃棄せずに所持していることも,そのような事態に備えていることを裏付けている…被告…が,上記保存義務を果たしていることをいうためにロボット便座β2台を再度完成させた場合,それは,その事業のためにするものとなるから,部品取り外し済みのロボット便座β2台を再度完成させるという限度で,被告…には,ロボット便座βを業として生産するおそれがあるといわなければならない…原告の被告らに対するロボット便座βの製造販売等の差止請求は,被告…に対する関係で製造の差止めを求める限度で理由があるということになるが…同被告の関係では,これより進んで完成したロボット便座βを使用,販売,又は販売の申出をするおそれは認められない」とされています。

助成金を受けるために果たさなければならない義務も考慮されている点、今後、助成金を受けることを検討している企業には参考になるかもしれませんね。

それはともかく、今回の特許は、従来品が「高齢者や体が不自由な者などにとって、完全に、水滴や汚れの拭き取り作業を容易にしていたとは言い難い」ことから、「便座に座ったままの状態で、すなわち、臀部と便座とが接したままの状態で、水滴や汚れを拭き取る」ことができるようにした発明です(上記特許の特許公報の段落【0015】から抜粋)。

今後、このような高齢者向け及び体が不自由な人向けの製品はますます増えていくと思うので、こういった分野でも特許に気を付ける必要が増えていきます。

特に助成金が絡んでくる場合、やはり、事前に特許調査することが重要ですし、助成金対象になる商品について特許を検討するということも重要になってきます。

弊所でもこういった分野に関連する特許を扱っているので、ちょっと身近に感じた特許でした。

今知的財産事務所
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

カレンダー
11 | 2018/12 | 01
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
プロフィール

【弁理士】今 智司

Author:【弁理士】今 智司
今(こん)知的財産事務所の所長ブログです。2011年1月に独立開業しました。知財はビジネスに役立たせてこそだ!と考え、技術、デザイン、ブランドの知財複合戦略を考えています。

今知的財産事務所

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。