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特許は技術的アイデアを、著作権は具体的表現を守る

 
ときどき、「自分のアイデアについて書類にまとめているから、このアイデアは著作権で守られていますよね?」というようなことを尋ねてくる方がいます。

これは大きな誤解で、アイデア自体は著作権法で守られることはありません

著作権の保護対象は「著作物」ですが、「著作物」は、その人が自分の思想や感情をこめて具体的に「表現したもの」であり、思想や感情自体、つまりアイデア自体は著作物ではないからです。

上の例で言えば、アイデアについてまとめた「書類に表現されたもの」は著作物になり得るので、例えば、その書類に記載した文章を誰かがコピペ等してマネをしたら著作権侵害を問える場合がありますが、アイデア自体を誰かが使っても著作権侵害を問うことはできません。

例えば、京都地裁の裁判例に「アンコウ行灯事件」というものがあります(平成6(ワ)2364)。

以下、判決文の抜粋です。

 「(中略)「表現形式上の本質的特徴」は、それぞれの著作物の具体的な構成と結びついた表現形態から直接把握される部分に限られ、個々の構成・素材を取り上げたアイデアや構成・素材の単なる組み合わせから生ずるイメージ、著作者の一連の作品に共通する構成・素材・イメージ(いわゆる作風)などの抽象的な部分にまでは及ばないと解するべきである。
(中略)
・・・原告は、原告の著作物の表現形式上の本質的な特徴は、いわゆる従来の「火もらい」とは異なるデザイン重視の容器を製作し、さらにその容器内部に液体を満たして、その表面上に発光体を浮かべて、一体のものとして幽玄な空間を表現している点に存する旨主張するが、こうした点は個々の著作物を離れた抽象的なアイデアに属するものであり、右の点の類似のみを理由として著作権侵害の有無を論じることはできない。(以下略)」(下線は筆者が付与)

つまり、「容器を製作し、さらにその容器内部に液体を満たして、その表面上に発光体を浮かべて、一体のものとして幽玄な空間を表現」するという抽象的なアイデアに類似していたとしても著作権侵害ではないということです。

したがって、アイデアを保護したい場合、技術的なアイデアは特許、外観デザインに関するアイデアは意匠というように、著作権以外の知財で対応する必要があります。

ただし、技術的なアイデアでもなく、外観デザインにも関係しないアイデア等については、そのアイデアをそのまま保護することができない場合があります。

そのような場合、そのアイデアを何に使うのか、どう使うのかというそのアイデアを使う具体的シーン等を検討したうえで、間接的に特許法、意匠法、商標法、あるいは著作権法や不正競争防止法で対応できないかを考えることになります。

なお、上記の判決文の記載、特許請求の範囲っぽくなっているのが面白いですね。

今知的財産事務所
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【弁理士】今 智司

Author:【弁理士】今 智司
今(こん)知的財産事務所の所長ブログです。2011年1月に独立開業しました。知財はビジネスに役立たせてこそだ!と考え、技術、デザイン、ブランドの知財複合戦略を考えています。

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