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権利範囲の広狭

 
特許出願する場合、様々な書類が必要です。願書、特許請求の範囲、明細書、要約書、そして必要な図面を準備して出願する必要があります。

そして、特許権を取得した場合、どのような権利範囲であるかを定めるのが「特許請求の範囲」の記載です。

特許請求の範囲は特許権の権利範囲(技術的範囲)を定めるので厳密に記載する必要がありますし、ほとんどの特許の特許請求の範囲は一文で記載されていたりするので、慣れない人から見るとその内容を把握することも難しい文章になっています。

ところで、ある発明を特定する場合、その発明を構成する要素で規定することがあります。

例えば、発光ダイオードを用いた懐中電灯の発明であれば、「発光素子と、前記発光素子に電力を供給するバッテリーとを備える発光装置。」(以下、発明1と言います。)というような感じで「発光素子」と、「バッテリー」との2つの要素で規定します。

なお、発光ダイオードを「発光素子」と言ったり、懐中電灯を「発光装置」としているのは、ある概念の上位概念を用いることで権利範囲をなるべく広くしようとしているためです(ただし、「明細書」という書面で、この上位概念の下の中位概念や下位概念の記載を充実させる必要があります。)

そして、原則として、この要素の数(発明特定事項の数)が多いと権利範囲は狭くなり、少ないと権利範囲は広くなります。

どういうことかというと、上記の懐中電灯の例で言えば、「発光素子」と「バッテリー」に更に、懐中電灯を吊り下げる「ストラップ」、又はバッテリーを充電する「手回し発電部」が他の要素としてあるとします。

この場合、「発光素子」と「バッテリー」と「ストラップ」を備える懐中電灯は、「発光素子」と「バッテリー」とを備えているので、「発明1」の権利範囲に入ります。また、「発光素子」と「バッテリー」と「手回し発電部」とを備える懐中電灯も「発明1」の権利範囲に入ります。

一方、「手回し発電部」を備える懐中電灯は「ストラップ」を備えていません。そうすると、「発光素子」と「バッテリー」と「ストラップ」を備える懐中電灯の権利範囲に、「手回し発電部」を備える懐中電灯は入りません。

その逆も同様で、「ストラップ」を備える懐中電灯は「手回し発電部」を備えていないので、「発光素子」と「バッテリー」と「手回し発電部」を備える懐中電灯の権利範囲に、「ストラップ」を備える懐中電灯は入らないことになります。

このように、発明を構成する要素が多いほど権利範囲は狭くなり、少ないほど広くなる、というのが原則です。

時々、「構成要素が多い方が、色々入っているから権利範囲は広い」と誤解される方がおりますが、要素が多いほど権利範囲は狭くなるので、特許出願時に「特許請求の範囲」を考える際は、不必要な限定要素が含まれないようにきちんと検討する必要があります。

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【弁理士】今 智司

Author:【弁理士】今 智司
今(こん)知的財産事務所の所長ブログです。2011年1月に独立開業しました。知財はビジネスに役立たせてこそだ!と考え、技術、デザイン、ブランドの知財複合戦略を考えています。

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