カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
プロフィール

【弁理士】今 智司

Author:【弁理士】今 智司
今(こん)知的財産事務所の所長ブログです。2011年1月に独立開業しました。MOT系弁理士です。知財はビジネスに役立たせてこそだ!と考え、技術、デザイン、ブランドの知財複合戦略を考えています。

今知的財産事務所

最新トラックバック
FC2カウンター
 
特許権には『存続期間』があり、原則として出願日から20年で寿命が尽きます。

アマゾンのいわゆる『ワンクリック特許』の存続期間がアメリカで年内に切れるということで話題になっています。存続期間が経過すれば、誰もがワンクリック特許の技術を使えるようになるため、競合が喜ぶ、というようにも思えます。

しかし、そうは簡単にはいきません。

実際、現在のアマゾンを見れば簡単に分かるように、アマゾンは単なるECサイトではありません。アマゾンは、商品の準備、商品の提示(レコメンデーション等も含みます)、顧客による商品の選択、支払処理、商品の顧客のもとへの発送、発送後・受取後の対応等、一連の流れをコントロールし、かつ、他社が簡単に追随できないように、随所に投資しています。例えば、最近も、物流倉庫にロボットを導入したことでニュースになっていました。

つまり、ワンクリック特許が守っている領域は、物流の一連の流れの「一部分」にすぎません。アマゾンは、物流の一連の流れの全てを見渡し、他社が簡単には追随できないように、上流から下流まで、様々な箇所に投資し、特許や商標などの知財権を取得していますし、様々な観点から出願も継続しています。

この「流れ」に対抗するような「別の」流れを構築するのならまだしも、単なる「一部分」に過ぎないワンクリック特許の存続期間が切れたからと言って、競合がすぐにアマゾンに追いつくことはまずありえません。しかも、現在は「アマゾン」という極めて強力なブランド力もあります。

もちろん、ワンクリック特許が認められた当初は、ユーザーにとって利便性・簡便性を提供する、という点でユーザーに遡及していた面があると思います。

しかし、それだけでビジネスが守られるかというとそのようなことはまずありません(特定の分野、例えば、医薬品であれば特許1本で、存続期間中は守られることがある場合はあります。)。

重要な点は、ユーザーの利便性や満足感向上のために、「流れ全体」をどのようにデザインするのか?どのように「流れ全体」を構築し、維持していくのか?それをどう守るのか?どのように顧客に選択されるようにするのか?等々について力を注いできた結果がいまのアマゾンを形作っているのだと思います。

要するに、ビジネスは特許だけでは守られませんが、ビジネス全体の流れの中で特許をうまく使うと、そのビジネスの長期的優位性を確保することに役立たせることができるということです。

アマゾンの例で言えば、発注面においてワンクリック特許によって顧客が発注しやすいようにし、かつ、第三者がマネできないようにする一方で(もちろん、発注しやすいようになったのはワンクリック特許だけのおかげではありませんが)、物流面や顧客とのインターフェース等に様々な投資をし、顧客のもとに早く、確実に商品が届くようにすること等を実現しました。

更に、アマゾンはそれを維持し続けるように投資を継続しています。

このようにビジネスの流れ全てに目配り・手配りし、それを継続していることが現在のアマゾンの地位を確固たるものにしたのではないかと思います。

とすると特許は意味がないのか?ということになるかもしれません。しかし、ビジネスの長期的優位性を確保するために、ビジネス全体の中で「どう使うのか?」が重要であり、特許自体はまさにその点で極めて重要な資産になります。

喩えて言えば、スタートダッシュで競合より先に特許で地位の足固めをし、特許によって競合の追随を阻んでいる間に次々と二の矢、三の矢を放ちます。それにより、競合がもはや追いつけない「地位」を築きます。この「地位」をいち早く、有利に築くために特許を使うことができます。

結局、特許は「どう使うのか?」ということをビジネス全体の流れの中で考えないと、意味がない場合が多いということだと思います。

今知的財産事務所
スポンサーサイト

2017/01/16(月) 14:10 | コメント:0 | トラックバック:0 |
コメント
コメントを投稿
名前
タイトル
メール
URL
コメント
パスワード
管理者にだけ表示を許可する


トラックバック

この記事のトラックバックURL
 

この記事にトラックバックする (FC2 blog user only!)
 
この記事へのトラックバック


検索フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム
QRコード
QR