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【弁理士】今 智司

Author:【弁理士】今 智司
今(こん)知的財産事務所の所長ブログです。2011年1月に独立開業しました。MOT系弁理士です。知財はビジネスに役立たせてこそだ!と考え、技術、デザイン、ブランドの知財複合戦略を考えています。

今知的財産事務所

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今度、大学で10月から日本に留学する学生たちに著作権について簡単にレクチャーすることになりました。

著作権についてレクチャーする際、必ず言うのが『他人の著作を無断コピーしちゃだめですよ!』ということなのですが、それと合わせて『引用』についても説明しています。

よく、「著作権者の承諾なしにその著作権者の論文を「引用」して利用してよいのでしょうか?」と質問がきますが、法律上の要件を満たさなければ著作権法違反になる場合があります。

大学生に限りませんが、何らかの文章を書く人は、第三者の論文やその論文の一部を自らの著作に引用し、自らの主張を補強したい場合が多々あると思います。

でも、第三者の論文はその第三者の著作物であり、その著作物の著作権は自分が持っているわけではありませんので、自由に引用することはできません。

しかし、著作権法では、対象となる著作物が「公表された」ものであり、引用が「公正な慣行に合致」し、かつ、「報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内」である場合に「引用」できます。

ここで、「引用」が認められるには、一般的に2つの要件を考える必要があります。

まず第1に『主従関係の存在』です。

これは、引用する側とされる側の双方が、質的・量的に主従関係にあることを要求するものです。つまり、引用している論文が「従」であり、自ら執筆する部分が「主」である必要があります。

第2に『明瞭に区分できること』です。

引用している部分と自ら執筆する部分とが明瞭に区分されていることが必要です。そのため、引用部分に「出典を明記すること」が肝心です。

なお、「公正な慣行」という要件は明確ではありませんが、使用の目的(なぜ引用しなければならないか)や著作物全体の関係で引用部分の量や重要性等を参考に判断されます。また、「引用の目的上正当な範囲内」とは、必要とされる限度内である必要があります。自説を補強する場合であっても引用する長さには常識的な限度があり、他者の論文の全てを自らの著作に含めることは「引用」の限度を超えているでしょう。

ときどきホームページなどに、「これは明らかにあそこのHPのコピーだよなぁ」というところがありますが(出典すら記載がないのがほとんどです)、上記『引用』に該当しなければ著作権法違反になる可能性があります。

コピペは確かに楽ですが、大きな落とし穴があります。他人の著作物を安易に利用することは結局、著作権法違反になることはもちろん、自分の脳みそを使っていないので、自分の身についていない(自らの血肉になっていない)ことがほとんどです。そのような状態でホームページに文章等をコピペしても、後々、見る人が見れば『コピペ』と見破られ、自らの信用を落とすことになります。

自らの価値を上げるためにも、『引用』部分は『引用』として明確にし、自らの主張を堂々と掲げるべきでしょう。

楽して得られるものは、あっという間になくなるものなのです。

※なお、本文は、私が首都大学東京産学公連携ニュースに執筆した文章に加筆修正を加えたものです。

今知的財産事務所
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2014/10/05(日) 01:06 | コメント:0 | トラックバック:0 |
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