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プロフィール

【弁理士】今 智司

Author:【弁理士】今 智司
今(こん)知的財産事務所の所長ブログです。2011年1月に独立開業しました。MOT系弁理士です。知財はビジネスに役立たせてこそだ!と考え、技術、デザイン、ブランドの知財複合戦略を考えています。

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特許では、出願した発明の新規性や進歩性を判断する際に、先行技術(引用文献とか引用刊行物とかいいます)を参照します。引用刊行物は、その出願の出願前に世に出ていることが必要で、出願後に世の中に公開されたものは含まれません。

そして例えば進歩性の判断においては、出願時における技術水準を把握することが必要になります。

ここで、平成25年(行ケ)第10163号 審決取消請求事件の判決には、

『審決は,甲4公報に高電圧により大気中で水を静電霧化して生成された帯電微粒子水がOHラジカル等のラジカルの発生を伴うことが記載されていることを前提に,甲1発明1の内容を解釈するに当たり,本件特許明細書の(中略)の記載と引用刊行物の記載事項を照らし合わせた上で,引用刊行物に記載されたものが,本件特許明細書に記載されたものと同様の構成の静電霧化装置によって(中略)帯電微粒子水を得ているものであるとし,甲1発明1における帯電微粒子水は本件訂正特許発明1と同様にOHラジカル等のラジカルを含んでいると考えるのが妥当である,との認定判断をしている。
 しかし,上記審決の認定判断は,甲1発明1の内容を解釈するために本件特許明細書の記載を参酌しているところ,本件優先日時点においては本件特許明細書は未だ公知の刊行物とはなっておらず,当業者においてこれに接することができない以上,甲1発明1の内容を解釈するに当たり,本件特許明細書の記載事項を参酌することができないことは明らかである。』
と記載されています(下線は著者が付与。全文はこちら)。

特許出願は原則、出願日から1年6月経過後に出願公開されるまで、その内容は秘密状態になります。

そうすると、特許出願時点においては、仮にその時点で公開されている文献があったとしても、その文献に記載されている内容を解釈するために、その特許出願に記載されている内容を使うことはできないわけです。

とすると、上記裁判例では、特許庁が引用刊行物の記載内容を解釈するために特許出願の内容を参考にしたところ、裁判所は「公開されていない内容を使って引用文献の内容を解釈することなんてできないよね」といっているわけです。

目の前の仕事をしていると、ついつい「いま現在」の常識で物事を考えてしまいますが、特許性を判断する場合は「出願時」の技術水準でいろいろと判断するので、時間軸の違いに注意する必要があります。

したがって、「こんなのが特許になるの?」と思ったとしても、それは「現在」で判断しているからで、「出願時」には進歩性があると判断されたからこそ特許になったのです(もちろん、中には瑕疵ある特許もあると思いますが。)。

特許を見るときは「時」に注意することが一つのポイントです。

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2014/03/27(木) 16:50 | コメント:0 | トラックバック:0 |
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