カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
プロフィール

【弁理士】今 智司

Author:【弁理士】今 智司
今(こん)知的財産事務所の所長ブログです。2011年1月に独立開業しました。MOT系弁理士です。知財はビジネスに役立たせてこそだ!と考え、技術、デザイン、ブランドの知財複合戦略を考えています。

今知的財産事務所

最新トラックバック
FC2カウンター
 
とある裁判例(平成25(行ケ)10111 審決取消請求事件 平成26年01月30日 知的財産高等裁判所)を読んでいたら、拒絶対応で使えそうな言い回しを見つけました。
 
裁判例に入る前にそもそもの前提なのですが、特許出願した後、拒絶理由が大抵きます(もちろん審査請求した後)。拒絶を解消するために特許請求の範囲等を「補正」するのですが、「補正」には根拠が必要です。

つまり、特許法第17条の2第1項には「特許出願人は、特許をすべき旨の査定の謄本の送達前においては、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をすることができる。(以下略)」と規定されています。

そして、同条第3項には「第1項の規定により明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をするときは、(中略)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(中略)に記載した事項の範囲内においてしなければならない。」と規定されています。

ここから明らかなように「補正」は当然に「図面」に記載した事項の範囲内においてすることができます。

これが結構後々重要になったりすることがあります。拒絶理由通知を受け取った場合、「あ~、これを書いておけば拒絶をクリアできるのに」ということがよくあります。しかし、明細書に文章として記載がなくても図面から読み取れるのであれば、図面から読み取れる内容を用いて「補正」することができます。

今回取り上げた裁判例の判決では、「・・・願書に添付する図面は,原則として製図法に従って描くものとされており(例えば,特許法施行規則25条,様式30の備考4項),上記刊行物に記載された図面は,設計図面のように各部の寸法や角度,曲率の値は特定できないとしても,各部の相対的な位置関係や配置構造については,大きな誤りなく記載されているというべき・・・」と判断され、

「・・・原則として製図法に従って描くものとされていることなどからすると,図面に表示された寸法や角度,曲率などは必ずしも正確でないとしても,各部の相対的な位置関係や配置構造については,大きな誤りなく記載されているというべきである。また,確かに,刊行物4,6及び7の明細書部分等には,おむつの上端を一直線に揃えることを要件とする旨の記載はなく,各刊行物に記載された発明において,この点が構成とはされていないものの,図面により,おむつの上端を一直線に揃えることの技術的意義を理解することは可能である。各刊行物の図面は,各刊行物に記載された発明の代表的な実施態様の一つを示したものと解することができるのであって,各刊行物には,そのような実施態様の一つとして,各図面に記載されているように,装着時におむつ本体の上端と耳部の上端をほぼ同じ高さにするとの技術が開示されているということができる」
と判断されています。

この言い回しは拒絶理由対応でも使えそうですね。

図面から技術的意義を理解することが可能であれば、その技術が開示されているということができるので、その開示内容を用いて「補正」することができます。

したがって、文章として記載していないからといってすぐにあきらめる必要はなく、図面から読み取れるかどうか?を考えると、突破口が見つかったりします(その分、特許出願時に図面をどう描くかが重要になりますが)。

そして、通常、拒絶理由対応は文章だけで審査官とやり取りすることになります。

しかし、図面を用いた「補正」には結構、解釈によってOKだったりNGだったりしますので、実際に「補正」する前に、審査官に面談や事前確認を申し込み、面接審査や事前確認をすることが有効です。

面接や事前確認によりその「補正」が新規事項追加ではないよ、という確証が得られることがありますので、ぶっつけ本番で補正書を提出するより安全です。

弊所ではそういったきめ細やかな対応も行っています。といいますか、補正書を出す前に面談や事前確認をした方が良い結果が得られやすいので、率先して提案しているだけですが…(大事務所ではなく、小規模事務所だからこそできるのかもしれません)。

今知的財産事務所
スポンサーサイト

2014/02/03(月) 12:27 | コメント:0 | トラックバック:0 |
コメント
コメントを投稿
名前
タイトル
メール
URL
コメント
パスワード
管理者にだけ表示を許可する


トラックバック

この記事のトラックバックURL
 

この記事にトラックバックする (FC2 blog user only!)
 
この記事へのトラックバック


検索フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム
QRコード
QR