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【弁理士】今 智司

Author:【弁理士】今 智司
今(こん)知的財産事務所の所長ブログです。2011年1月に独立開業しました。MOT系弁理士です。知財はビジネスに役立たせてこそだ!と考え、技術、デザイン、ブランドの知財複合戦略を考えています。

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最近、知財高裁のある判決(平成24(行ケ)10426 審決(無効・不成立)取消 平成25年12月26日判決)がありました。

原告が特許庁に特許(特許第3511970)に対する無効審判を請求しましたが、特許庁で「審判の請求は,成り立たない」と判断されたため(特許は有効)、それに不服の原告が知財高裁に訴えを提起した事案です。

結果として、判決では原告の請求が棄却されています。
(ちなみにこの特許、日亜化学さんの特許で発明者は中村修二さんでした。無効審判を何回か起こされているところを見ると、特定分野では結構重要な特許なのでしょうね)

争点はいくつかありますが、かつて発光ダイオードの研究開発に携わっていた身として、個人的に興味深かった点がありました。

それは、裁判所が、「相違点1は,半導体が,本件発明1では,「窒化物半導体」であるのに対して,引用発明1では,「InGaAlP緑色LED用光半導体結晶」である点である。(中略)引用例1をみても,引用発明1に係るLEDの構成が,InGaAlP緑色LEDのほか,InGaAlP活性層の組成を適宜変えることにより,黄色,橙色,赤色,赤外LEDにも適用できることは開示されているものの,青色LEDやGaN等の窒化物半導体を活性層に用いたLEDに適用することについては,何ら記載がない。したがって,引用例1には,引用発明1について,同発明を構成する「InGaAlP緑色LED用光半導体結晶」に代えて,本件発明1のような「窒化物半導体」を採用することの動機付けはないから,(中略)当業者において,引用発明1に基づき,相違点1に係る本件発明1の構成を容易に想到することができたということはできない。」と判断した点です。

極めて大雑把にいえば、窒化物半導体の特許を無効にする根拠の1つとして、InGaAlP系の引用発明を持ってきたのですが、この引用発明の明細書には窒化物半導体を活性層に用いたLEDに適用できるという記載がないから、この引用発明に記載されている「InGaAlP緑色LED用光半導体結晶」を窒化物半導体に置き換えることができない、というものです。

記載がないのはそうなんですが、開発者としては隣でやっていることを試してみようかなぁ、と思うこともないわけではありません。ただ、分野によっては他のものに簡単に置換できるわけではない技術もありますから、他の技術に置き換えることを思いつくかはどうかは、その特許の目的、出願当時の技術水準や技術常識等をいろいろと検討したうえで慎重に判断する必要があります。

まぁ、特許的には記載が全て、ですね。第三者の特許を無効にする際には動機づけとなる記載があるか否かを細心の注意を払って見つけなくてはなりません。

しかし、(もちろん、発明が解決しようとする課題等が異なることを前提に)上記裁判所の判断は、拒絶理由対応にも応用できますね( ..)φ

判決の全文はこちら↓
http://www.ip.courts.go.jp/hanrei/pdf/20140107151443.pdf


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2014/01/29(水) 15:57 | コメント:0 | トラックバック:0 |
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