カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
プロフィール

【弁理士】今 智司

Author:【弁理士】今 智司
今(こん)知的財産事務所の所長ブログです。2011年1月に独立開業しました。MOT系弁理士です。知財はビジネスに役立たせてこそだ!と考え、技術、デザイン、ブランドの知財複合戦略を考えています。

今知的財産事務所

最新トラックバック
FC2カウンター
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--/--/--(--) --:-- |
 
よく、技術を広めたいからこそ特許権を「取得しない」という話を耳にします。
特許権は独占排他権であり、第三者の技術の使用を制限することができるので、その様な話にも一理あります(特に大学の先生ですと、論文発表がまず第1に重要になりますので、特許に対して距離をとることはよく分かります。)。

ただ、技術を広めたいからこそ特許権を取得する、という考え方もあるのではないかと思います。

例えば、人々に非常に役立つような、ある基本技術を発明したとします。そして、この基本技術を発明した人(以下、最初の発明者とします)が、金銭的な利益を全く望まず、基本技術や基本技術を応用した技術が世の中に広まることを望んでいるとします。ただし、基本技術の場合、通常、実際に世の中に広まるにはユーザーのニーズに合わせて様々な改良がなされることが必要です。

さて、この場合に、第三者の使用を制限してしまうからといって特許権を取得しなかった場合どうなるでしょうか?

例えば、基本技術を改良した発明(利用発明)が第三者によりなされ、そして、この利用発明についてこの第三者が特許権を取得したとします。この第三者が金銭的利益を追求する者である場合、他の人が利用発明を実施しようとした場合にその実施に対して差止を仕掛けることができます。

一方、最初の発明者は基本技術について特許権を取得していません。そうすると、利用発明がいくら基本技術を利用していたとしても、最初の発明者だからといって、この第三者に対して打つ手がありません。結果として、基本技術を使ってなされた様々な改良発明について、多くの人が自由に使うことができなくなる可能性があります。そうすると、基本技術や基本技術を応用した技術を世に広めたいとしても、なかなか広まらないことになりかねません。

しかし、この場合に基本技術について最初の発明者が特許権を取得していた場合、最初の発明者には上記のようなことに対して手を打つことができます。すなわち、誰かが改良発明について特許を取得した場合に、改良発明について自由に実施することができるように基本技術の特許をライセンスする代わりに(例えば、無償のライセンス)、利用発明の特許権についても誰もが自由に利用できるように交渉することができます(例えば、利用発明について無償若しくは低額のライセンスをしてもらうように交渉する)。

そうすることで利用発明が世の中に広まりやすくなり、それにより基本技術も世の中に広まりやすくなります。言ってみれば、基本技術の特許権を使って、第三者による利用発明の使い方を制御するということです(もちろん、基本技術を発明した人が利用発明についても特許権を取って、それを他者に自由利用させればよいのですが、同一人物・同一機関がすべての改良発明を自分たちだけでするということは技術分野にもよりますが、現実的ではないかと思います。)。

また、学術論文等に基本技術を発表して世の中に広めたい場合であっても、学術論文が掲載されているジャーナルは大抵、有料です。そうなると、お金を払った人しか基本技術を知ることができません。

一方、日本では、特許出願した場合、原則として出願から1年6カ月経過した後に全世界にインターネットを通じて無料で出願内容が公開されますから、ジャーナルよりは世の中に基本技術を広めることが容易になります。

以上のように、特許権を取得したからといって必ずしもその特許権に関する技術が世の中に広まらないわけではありません。要するに、特許権の「使い方」を工夫することで、その技術を世の中に広めることができる場合があるのだと思います。

今知的財産事務所
スポンサーサイト

2014/01/26(日) 08:00 | コメント:0 | トラックバック:0 |
コメント
コメントを投稿
名前
タイトル
メール
URL
コメント
パスワード
管理者にだけ表示を許可する


トラックバック

この記事のトラックバックURL
 

この記事にトラックバックする (FC2 blog user only!)
 
この記事へのトラックバック


検索フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。