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プロフィール

【弁理士】今 智司

Author:【弁理士】今 智司
今(こん)知的財産事務所の所長ブログです。2011年1月に独立開業しました。MOT系弁理士です。知財はビジネスに役立たせてこそだ!と考え、技術、デザイン、ブランドの知財複合戦略を考えています。

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日本では結婚によりパートナーの姓が変わります。現状、女性の姓が変わることがほとんどでしょう。
そして、日本の場合、行政に対する手続が数多くあり、とても大変です。

例えば、実印。
結婚により姓が変わると、実印を作りなおし、印鑑登録を再びする必要があります。
私の妻もそうで、「なんで女性ばかり面倒くさいの!!」と。。。

そこで妻は、印鑑の「姓」と「名」を分割することができ、姓が変わった場合には姓の部分だけ取り替えることができるような印鑑を考え、そのような印鑑は特許としてどうか?と言ってきました。

例えば、こんなのです↓
印鑑


パッと見、いままでにその様な印鑑を見たことがないので、全く同一のものがなければいけるかもしれないとは思ったのですが、これまでの経験から「進歩性」があるかどうかが問題だな、と思いました。

妻は商標・意匠専門の弁理士ですが、特許法ももちろん勉強はしているので「進歩性が問題になるね」という点は納得していました。

ただ、「進歩性が厳しいからダメだね。」というのではそれこそ『ダメ』で、厳しいかもしれないと思った場合は、「では、どうしたら進歩性を出すことができるか?」を考える必要があります。

この場合、ただ単に漠然とアイデア出しをしても進歩性を出す観点からはあまり効果はありません。先行特許を調査して、どの程度なら「進歩性」を発揮できるかを考えることが有効だと思います。

なお、先行特許の調査の目的には様々なものがあります。
例えば、他社の特許権に自分たちの技術が抵触しているか否かを調査する「抵触調査」があります。企業であれば「抵触調査」が技術開発には必須といっていいでしょう。

しかし、「抵触調査」をする前に「進歩性」を発揮するためにはどうしたらよいかを考えるための調査もあります。私は基本的にこの調査をし、お客さんと一緒に進歩性を出すにはどのようにしたらよいのかを一緒に考えることが多いです。

今回の印鑑の件についても簡単に調査してみました。
すると、例えば、特開2004-243698や実用新案登録第3093847号等で形状だけを見ると妻が考えたのと似た印鑑に関する特許出願や実用新案が出てきました。

しかし、先行特許は「印鑑の盗用防止等」を目的としたもので、妻が考えているような「姓が変わることによる不具合の解消」とは解決しようとする課題が異なります。

とはいっても、構造はかなり似ているので「進歩性」は厳しそうです。

しかし、例えば、実印として印鑑登録をしたような場合、「姓」の部分と「名」の部分とを組み合わせた後、使っているうちに印影が少しずれたりとかしてはマズイわけです。そうすると、「姓」の部分と「名」の部分との組み合わせ方(固定方法)を工夫すれば、「進歩性」が出るかもしれないと思いました。

それを話し合ったところ、例えば、「寄木細工の技術」を応用し、「姓」と「名」の部分を固定するために別途、固定部材を設けなくてもよい構造やその構造を採用した場合に印鑑に強度を持たせる構造や材質を考え、そこを限定すれば「進歩性」は出やすいのではないかと考えました。

もちろん、限定すれば権利範囲は狭くはなりますが、「進歩性」が厳しそうな場合に改良案を一緒に考えるネタとしての先行特許はとても重要です。

したがって、「新規性」や「進歩性」を検討するための先行特許調査も、とても重要な役割を果たすのではないかと思います。

このような感じのプロセスですね(赤い部分が重要だと思います)↓
先行調査


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2014/01/24(金) 07:00 | コメント:1 | トラックバック:0 |
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