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【弁理士】今 智司

Author:【弁理士】今 智司
今(こん)知的財産事務所の所長ブログです。2011年1月に独立開業しました。MOT系弁理士です。知財はビジネスに役立たせてこそだ!と考え、技術、デザイン、ブランドの知財複合戦略を考えています。

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特許出願には、自分が欲しい権利範囲を規定する「特許請求の範囲」という書類が必要です。

よく「広くて強い権利を取得する」といいますが、常に広い権利がよいとは限りません。技術分野、お客さまの事業戦略、市場動向、そして当該技術分野における技術の成熟度等によっては「狭い権利」でもよい場合があります。

しかし、初めから「狭い権利」にしてしまうのもどうかと思うこともあります。

これまで第三者が気づかなかった新たな課題に気付いてなされた発明の場合、初めから狭い権利を目指すより、広い権利を目指した方がよい場合もなかにはあります。

また、資金に余裕があれば、ある一つの発明を創出した場合にその周辺の発明についても特許出願できますが、中小企業さんですと一つの発明だけで戦わざるを得ない場合があります。そうした場合に初めから「狭い権利」を目指してしまうと、審査の過程において市場動向の変化や自社の事業戦略の修正・変更に対応できず、将来的に足をすくわれかねない面もあります。

一方、「広い権利」を書いておくと、市場動向の変化やビジネスの今後の進展を考慮して第三者が模倣するまで時間を稼ぎ、自社の市場における立ち位置を確立すること(つまり、顧客から選択されるようになること)を目指した『調整』をすることがし易くなります。もちろん、出願当初明細書にそのような要素を記載しておく必要はありますが。

しかし、聞くところによると、お客さまのビジネスの今後の進展やお客さまが置かれている市場環境を考慮しない昔ながらの弁理士には『権利取得至上主義』的な人がいるようで、出願当初から狭い権利範囲しか念頭に置いていない人もいるようです(なかには、何でもかんでも数値限定するような人もいるようです。本来そのような限定が必要ないにもかかわらず。。。)。

そのような弁理士は権利の取得だけが目的になっているようです。初めから「狭い」特許請求の範囲を記載すれば特許権を取得しやすいことは事実です。もちろん権利の取得は重要です。しかし、本来、特許は取得してどう活用するか、そして活用できる特許であるか否かが重要ですので、不必要な限定には気をつけなければなりません。

そのような弁理士は、日本だけでなく将来的に海外において権利を取得する必要がある場合にもかかわらず、翻訳しにくい日本語で特許請求の範囲を記載するタイプが多いようです。

一見「広すぎる」と思われる特許請求の範囲。しかし、将来のビジネスに対応することや市場の変化に対応することを考えている場合、広い権利の取得を目指す特許請求の範囲(の書き方)が望ましい場合もあると思います。

やはり、お客さまのビジネス環境、お客さまの事業戦略を念頭に置いておかないと「ビジネスに役立つ特許」の取得は難しいのではないでしょうか。

もし皆さんが「どうしてこのような特許請求の範囲を記載するのだろう?」と疑問に思うことがあったら、その特許請求の範囲を記載した弁理士に、そのように記載した意図を尋ねてみましょう。第一声が「こう記載しなければ権利を取得できない」という回答の場合、その弁理士は『権利取得至上主義』的な人かもしれません。その特許請求の範囲が本当にビジネスに役立つ記載になっているか否か、気をつける必要があるかもしれませんね。


「ビジネスに役立つ知財」を常に考慮しています。
今知的財産事務所
 
1点補足すれば、市場動向の変化や事業の方向性が特許出願時と審査請求時とで異なっている場合(ほとんどそうでしょうが)、出願審査請求時に特許請求の範囲の記載を補正するという手もあります。したがって、出願『時』に何が何でも「狭い」権利範囲を記載する必要は、実はないとも言えます。

明細書中に詳しく書き、特許請求の範囲に『広い』権利範囲を記載しておけば、競合は「一体、どのような権利範囲で確定するのかしないのか?」を気にする必要がありますので、特許出願時にはあえて『広い』特許請求の範囲を記載するという戦術もあります(戦略ではありません。念のため。)。

要は、お客様のビジネス上、有利にことを運ぶことができるようにするにはどうすればよいか?を考えることが重要です。お客様にとって重要なのは自社が顧客(お客様のお客様)に選択されることであり、特許等の知財はそれをサポートする一つの手段にすぎないことを忘れてはなりません。

『権利取得至上主義』的な仕事をしているような人は、その点に思い至らないのかもしれませんね。
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2013/02/03(日) 18:54 | コメント:0 | トラックバック:0 |
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