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外部環境の変化に敏感になる

一人で何役もの役割を果たさなければならない中小企業のトップは非常に忙しいと思います。忙しいがゆえに、外の世界との接触が少なくなることもあるのではないでしょうか。創業する時は様々なことを調べ、自分が得意とする技術やサービスを良く考えて一歩踏み出すと思います。

しかし、踏み出したのはよいものの、事業を継続するうちにだんだん忙しくなります。その一方で、外部環境の変化や技術の進歩は非常に早い!すると、徐々に経営や技術に関する知識が錆びついてしまい、ビジネスの消長に大きな影響を与える外部環境の変化に鈍感になってしまうことがあるのではないかと思います。

つまり、情報に対する感度、いわゆるアンテナの感度が鈍くなっていってしまいがちではないでしょうか。

アンテナの感度を良くする一つの方法には、やはり、ちょっと大変だとは思いますが「外の空気」に触れることが重要になってくるのではないかと思います。自分とは異なる「外部の視点」を認識することがポイントになってくるのではないかと思います。

例えば、愛媛県に伊予銀行という銀行があります。伊予銀行は毎年10月に取引先や地元企業の若手幹部を集めたセミナーを開いています。セミナー受講者は1年もの間、大学教授、専門家、及び地元の有力経営者などから様々な観点から経営の根幹を学んで行きます。カリキュラムにはベトナムや上海などの海外市場の視察も盛り込まれているそうです。

受講者はどのような人たちかというと、年齢や業種が異なる異業種の人々です。つまり、セミナーに参加すると、必然的に自社の外部の人々、しかも経営幹部の人々と接触することになります。これが「外の空気」に触れることになり、参加者自身の視野を広げることに役に立っているのではないかと思います。

このような取り組みは、もちろん伊予銀行に(長期的な視点で)メリットがあります。それは、若手経営者とのネットワークを作り、地元経済全体の底上げを図ることにより、結果として伊予銀行の将来の利益につなげる、というメリットです。しかし、少なくともセミナー参加者にとっては、外部との接触が増加し、マネジメントの視野が広がるという日常業務ではなかなか得られない経験をすることができると思います。

現状、中小企業が単独で外部環境の変化に追随することはなかなか困難ではないかな、と思います。今後の日本の地方の活性化の観点からは、どのようにして地域の企業のマネジメントの視野を広げさせ、どのようにして地域全体を巻き込んで地域の企業を活性化させればよいのかを考える上で伊予銀行の取り組みは参考になると思います。

そして、「外の空気」に触れるには伊予銀行のような取り組みのほかに、例えば、様々な業種の社会人が集まるMOTのような専門職大学院も有用だと思いますし、おおたグループネットワーク(OGN)さんとenmonoさんが主催する「発電会議」に参加して様々な方と交流することも有用だと思います。

どのような手法をとるにせよ「一歩外に出て外の空気に触れる」ことが、視野が狭くなりがちという中小企業トップのハンデを補うのではないかな、と思います。


「知の伴走者」今知的財産事務所
(「知の伴走者」は登録商標です。)
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【弁理士】今 智司

Author:【弁理士】今 智司
今(こん)知的財産事務所の所長ブログです。2011年1月に独立開業しました。知財はビジネスに役立たせてこそだ!と考え、技術、デザイン、ブランドの知財複合戦略を考えています。

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