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プロフィール

【弁理士】今 智司

Author:【弁理士】今 智司
今(こん)知的財産事務所の所長ブログです。2011年1月に独立開業しました。MOT系弁理士です。知財はビジネスに役立たせてこそだ!と考え、技術、デザイン、ブランドの知財複合戦略を考えています。

今知的財産事務所

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「なかなかうまくいかないね。よい技術はあるんだけどね~」というような話をよく聞きます。確かに技術的には優れていても、それがなかなか売り上げに結びつかない企業は多く見受けられます。なぜうまくいかないのか?について、様々な人が様々なことを言っています。

いろいろな説がありますが、私自身が考えていることの1つに、技術を「見える化」しているのかどうか?「見える化」した技術の「ベクトル」を、うまく自社に向けているか?(「見える化」した技術をうまく使っているかどうか?)というものがあります。

すなわち、まず、技術を顧客が分かるように「見える化」する必要があります。どんなに優れた技術であると自分たちが思っていても、その優位性が顧客に肌感覚で伝わらなければ、独りよがりになってしまうからです。

「見える化」の方法には様々あります。顧客が専門家(例えば、BtoBの場合)であれば文章や実験の数値だけでもある程度は伝わるでしょう。しかし、それではなかなかビジネスは広がりません。

「見える化」する場合、顧客の顧客、或いはこれまで想定していなかった顧客まで視野を広げることが打開策になる場合があります。

例えば、東京都大田区に太洋塗料という中小企業さんがあります。その中小企業さんは、特殊塗料の製造販売をする企業で、これまではBtoB向けをメインにビジネスを展開してきました。

もともと剥がせる特殊塗料の技術を太洋塗料さんは持っていたのですが、それをデザイナーさんと協業し、消費者向けの「剥がせるペン」として売り出したのです。これは、ホワイトボード等に絵や文字を書くと、その形のまま剥がすことができ、かつ、剥がした後、再びホワイトボードに貼り付けることができる特殊塗料が入っているペンです。

この「剥がせるペン」、ドイツの「iFデザインアワード」を受賞するだけでなく、実際に2013年8月の販売から1年半で約1万2000本も売れたとのことです(参考文献:日経ビジネス、2015年4月27日、5月4日合併号)。

もともとは業務用の塗料を、デザイナーとの協業により消費者が「手に取ることができる」ようにすることで、優れた技術を「見える化」した1つの例です(これは、「触れる化」したともいえるかもしれません。)。

そして、「見える化」しただけではビジネスとしては回りません。次に、「見える化」した技術をどううまく使うか?が重要です。この点が抜け落ちると「面白いね!」だけで終わってしまいます。

どう使うか?には様々な観点がありますが、観点の1つに、自社技術をこれまで想定していなかった顧客にどう認知させるか?という点があります。これはニッチ産業にとって重要で、今あるニッチ市場に加え、新たな「他の」ニッチ市場を開拓するという観点です。この場合、想定顧客に直接売り込むのではなく、間接的な方法が有効なことがあります。

先ほどの「剥がせるペン」の例では、消費者向けに作った商品の販売ルートの開拓等は行政の力を借りています。それが功を奏し、ニュース等でも紹介されるようになりました。このように広く紹介されることが1つの転機になります(他にも、様々な展示会に出展したり、人が集まる場所に出品したり、やり方はいろいろあります。)。

太洋塗料さんの場合、様々なところで紹介され、それを様々な業者が知ることになりました。そして、そもそもの出発点である業務用の特殊塗料に対する問い合わせが増えたとのことです。

つまり、消費者向け商品を自社開発し、その商品の認知度を上げることで、商品のコアである技術に対する注目が向上します。それにより、未来顧客が自社技術を認知し、その結果として業務用製品の売り上げにつながる、という1つの流れができたということです。

このように、技術を「見える化」し、「見える化」した技術の使い方に一工夫を凝らすことで、中小企業であっても大きな効果を出すことができる場合があるのではないでしょうか。

もちろん、ここで重要なのは、「見える化」にはデザイナーさんの力も必要である点と、販路等について力を貸してくれる人たち(例えば、行政等)の存在が必要である点です。これらは中小企業やベンチャー企業だと自前でそろえることは困難な場合が多いので、外部との連携がポイントになってきます。

デザイナーさんとの協業は何も新しいことではなく、昔からやっている所はやっていたりします。技術とデザインというと、何か正反対な性質のものというイメージを持つかもしれませんが、実際はそうではありません。デザイナーは、アイデアを出してコンセプト創造しますが、それを実現するにはやはり、技術が必要になります。そう考えると、デザイナーとの協業が、技術を「見える化」する際に大きなポイントになるのではないでしょうか。

そして、技術の「見える化」と「その使い方」とをうまく「デザイン」すること(固く言えば、戦略を立てること、でしょうか)。これこそが経営陣が力を尽くすことなのだろうなと思います。

今知的財産事務所
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2015/05/29(金) 23:37 | コメント:0 | トラックバック:0 |
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