特許料等の軽減措置の期限に注意!

 
現在、中小企業やベンチャー企業等に対し特許の出願審査請求料や特許料、そして国際出願の調査手数料等が軽減される制度があるのですが、その制度は平成30年3月31日までに特許の審査請求をした場合、又は国際出願が受理された場合に限られます。

したがって、審査請求をする日や国際出願を平成30年4月1日以降にする場合、軽減措置の対象にはなりません(詳しくは特許庁ホームページ→こちら)。

これらから特許出願して審査請求する場合や国際特許出願をする予定がある場合であって、軽減措置を受けたい場合、審査請求や国際出願の期限に注意する必要があります。

但し、特許庁は、中小企業の審査請求料や特許料、そして国際出願手数料等を一律、軽減する法案を検討しているようです。

その法案が通れば、再び、審査請求料等の軽減を受けることができるようになると思います。

ただ、くだらないことで国会での審議時間が無くならないことを祈るばかりですね。

今知的財産事務所

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早期審査と早期審理

 
特許権をなるべく早く取得したい場合に利用できる制度が早期審査です。

早期審査については以前のブログでも記載しました。

早期審査をかけても、特許出願の内容によっては拒絶査定になることもあります。

拒絶査定になっても「拒絶査定不服審判」で争うことができ、この審判でOK(特許審決)が出れば、特許権を取得できます。

ここで注意しなければならない点は、審査段階で早期審査を申請していたとしても、その早期審査が審判には引き継がれない、という点です。

つまり、審判段階でも早期に審理してほしい場合、改めて「早期審理」を申請する必要があります。

早期審理をしない場合、拒絶査定不服審判の審理期間は13か月ぐらいかかります(※1)。そうすると「早期審査」をしても「早期審理」をしなければ、早期に特許権を取得できるか否かが分からないことになります。

なお、「早期審理」をすれば、審理期間は4か月ぐらいです(※1)。

結局、早期審査した場合であっても、拒絶査定不服審判が自動的に早期審理対象になるわけではないので、拒絶査定不服審判においても結果を早く知りたい、という場合は、「早期審理」の申請をすることを忘れないようにする必要があります。

今知的財産事務所

※1 「特許行政年次報告書 2017年版 統計・資料編」による。
https://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/nenji/nenpou2017/toukei/all.pdf

新しいだけでは特許は取れません・・・


新しいアイデアを考え、市場やネットを見回して同じものがなかったら、特許権を取得できるのでしょうか?

実は、特許権を取得するためには、「新規性」、つまり「新しさ」があるだけではダメなのです。

「新規性」があっても、「進歩性」という大きなハードルをクリアする必要があります。

「新規性」とは、発明が客観的に新しいことをいいます。例えば、皆さんがした発明が、これまで公にされていないような場合は「新規性」があるといえます。

しかし、「進歩性」とは、当業者(創出された発明が属する分野における通常の知識を有する者。いわば、その道のプロ。)が、特許出願時の技術水準から容易に考え出すことができない程度の困難性をいいます。

「困難性」、、、難しいですね。

ごくごく簡単に言えば、特許法は既に知られた発明からの『飛躍的進歩』を求めていて、当業者が公知の発明に基いて容易に発明できないことを要求しています。つまり、その道のプロであれば誰もが思いつくような発明には特許権を与えないということです。

例えば、「発明A=技術a+技術b」というような発明をしたとします。この「発明A」については世の中に知られていません。

しかし、「発明A」をした人の技術分野において、既に技術aは文献1に、技術bは文献2に記載されており、同じ技術分野の人であれば、当然に文献1と文献2を読むような状態だったとします。

この様な場合、例えば、発明Aが技術aと技術bとを単に組み合わせただけである場合や、技術bが材料に関する技術であり、発明Aを作り出すうえで最適な材料として技術bを選択したに過ぎない場合、又は、文献1と文献2のいずれにも同じような課題を解決するために技術a及び技術bが紹介されていたような場合等々においては、発明Aの進歩性は否定されてしまいます。

いずれにせよ、『新規性のある発明』を創り出した場合であっても、その道のプロが特許出願時に既に世の中に存在している技術から容易に思いつくことができる場合、いくら新しくても進歩性が否定されるので特許を取得することができません。

このあたりが特許に慣れていないと戸惑うところだと思いますし、実際、拒絶理由で最も苦労するのも「進歩性」の点だったりします。

今知的財産事務所

公報の記載内容は疑ってかかれ!?

 
特許が出願公開されると様々な情報が公になります。その中の一つが昨日も指摘した発明者や出願人等の情報です。

しかし、その情報、そのまま鵜呑みにしてはいけない場合があります。

というのも、掲載された内容について公報発行後に変更が生じたとしても、その変更が公報に反映されることはなく、再発行もされません。

そのため、公報が発行された後に出願人の住所が変わったとか、出願人が他の会社等に変わったとしても、公報を見ただけでは分からないことがあります。

一方、J-PlatPatでは、出願された案件の経過情報を参照することができます(タイムラグはありますが)。こちらを見ると、住所変更や出願人の名義が変わったこと等、どのような経過をたどったのかを把握することができます。また、ファイル記録事項の閲覧請求をすることでも経過情報を把握できます。

この結果、公報に掲載された内容とJ-PlatPatに掲載された内容や閲覧請求して得られた情報とが異なることがあります。

このようなことは「特許公報」を参照する場合も注意が必要です。

例えば、特許公報に記載された権利者が、公報発行後に変わっている場合もありますし、以前のブログで書いたように、特許公報発行後に権利が消滅している場合もあるからです。

結局のところ、出願人や権利者等の書誌事項や権利の生死について正確な情報を得るためには、ファイル記録事項の閲覧請求等により、経過情報をすべてチェックする必要があります。

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氏名で検索

 
特許出願は、願書に、明細書、特許請求の範囲、要約書、そして必要な図面という書類を添付して手続する必要があります。

ここで願書(特許の場合、「特許願」と記載します)には、国際特許分類、発明者、出願人、代理人等の情報が記載されます。

公開公報や特許公報においては願書も公開されるので、発明者や出願人等の情報も公になります。そして、データベースがなくならない限り、これらの情報はネット上で誰もが自由に閲覧できます。

発明者にとっては、自分が何もしなくても自分がこれまで開発してきた技術内容がネット上にあることになり、いわば、自分の「技術開発の履歴書」がネット上にあると言えます(しかも、自分でデータベースをメンテする必要もありません。)。

例えば、J-PlatPatで「発明者」の欄に自分の名前を入力して検索すれば、自分がこれまで発明者としてかかわった特許が表示されます(ただし、同姓同名の人の特許が混じる場合はありますが)。

大学等の研究者にとって論文発表がとても重要ですが、技術開発に携わっているのであれば、論文だけでなく、特許も業績の一つになります。

また、気になる研究者の論文を図書館等で集めることは普通に行われていると思いますが、その研究者の名前で特許を検索しても面白いかもしれません。

特許出願の書類、特に明細書には、出願された発明がどのような課題を解決し、どのようなことに応用できるか等が記載されているので、もし論文の方で「この技術って、社会にどう役に立つんだろう?」と思った場合、公開公報等を参照すると技術のイメージを掴み易くなる場合があります。

大学の学部生であれば、論文とともに特許文献も参照することで、論文の理解が深まるかもしれません。

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【弁理士】今 智司

Author:【弁理士】今 智司
今(こん)知的財産事務所の所長ブログです。2011年1月に独立開業しました。知財はビジネスに役立たせてこそだ!と考え、技術、デザイン、ブランドの知財複合戦略を考えています。

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