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プロフィール

【弁理士】今 智司

Author:【弁理士】今 智司
今(こん)知的財産事務所の所長ブログです。2011年1月に独立開業しました。MOT系弁理士です。知財はビジネスに役立たせてこそだ!と考え、技術、デザイン、ブランドの知財複合戦略を考えています。

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青山学院大学の大学院に「デザインの法と実務」という講座があります。縁あって私もその講座に関わっているのですが(ほぼ、生徒状態ですが(^_^;))、次回の講義は私の担当回ということで、いま、資料を作成中です。

とはいえ、昨年も同講座で1回だけ担当したので、その資料をリバイズしています。

この講座の内容、実は本来なら既に書籍になっている予定だったのですが、諸事情により出版が延びに延びまくっています(私もある章を担当していますが、中身は2015年に執筆したもので、いまでは、ちょっと古くなってしまっていますね。。。)。

講座にはデザイナーの先生が参加されているのですが、その先生の実感として、多くのデザインを取り扱う大学ではまだまだ知財に対する意識が低く、多くのデザイナーが知財を自分に関わりのあることだと考えていないとのことです。

これは、かなり由々しきことです。いくらデザイナーが様々なモノ・コトを創作しても、それが自分の手元に残らないことになりかねないからです。

ただ、気を付けなければならないのは、知財といっても「法律」ばかり教えても意味がありません。実際にビジネスをする際、或いはデザイナーが作成した作品を世に出す際には法律だけでは対応できない部分も多いからです。

すなわち、「知財」には、「物(具体的なハードやソフト等)」、「者(関わる人や補完企業等)」、「もの(他の知財、ノウハウ等含む)」が関わっており、ビジネスを考えるなら「ビジネスモデル(=ビジネスシステム+収益モデル)」が更に関わって、これらが互いに結合し、積み重なっているからです。

このようなことまで念頭において伝えないと、「法律って、難しくて面倒くさいな。。。」で終わってしまうからです。

もう少しこのようなことを取り入れた知財の授業が増えればいいのですが。。。

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2017/04/26(水) 16:17 | コメント:0 | トラックバック:0 |
 
知財を扱う場合、知財は競争力の源泉の一つなのでその取扱いはどうしてもセンシティブになります。

特許を出願しようとするときもそうで、発明を的確に特許明細書に落とし込めるか?が非常に重要になってきます。

その際に重要な点は、発明を的確に把握する点はもちろんなのですが、実はその前の段階にあります。

すなわち、発明者や企業の担当者と弁理士との間でうまく、十分にコミュニケーションが取れているか?という点です。

雇われ弁理士時代、大企業案件もあったのですが、中には発明者と直接コンタクトできないところもありました。直接コンタクトすると知財部の立場が・・・ということだったらしいのですが、知財部には知財戦略等、もっと重要な仕事があるのに、、、と思っていました(中には、発明者自身が企業外部の人と会いたくないという例もあったようですが。。。)。

まぁ、それはさておき、きちんとコミュニケーションが取れていないと、発明者や担当者が意図した内容が特許明細書に表れないことになります。

ただ、中には発明者や担当者が忙しすぎて、弁理士との直接のコミュニケーションが取れない場合もあるようです。

しかし、知財を経営資源の核に据えるのであれば、このコミュニケーションをないがしろにしてはいけないと思います。

中にはメールでやり取りすればいいでしょ、と思われるかもしれませんが、実際に発明者とコミュニケーションをとっていると、話の中に様々なニュアンスが含まれており、そのニュアンスを汲み取って弁理士側が発明者の中で明確になっていなかった重要なポイントを引き出すこともあります。このようなことはメールベースのやり取りでは不可能です。

特許出願をはじめ、知財にはお金も時間もかかります。しかし、知財をうまく活用することでビジネスに役立たせることができます。

そのような知財、特に「知財権」を取得しようとする場合は、はじめの一歩が肝心です。そのはじめの一歩において、コミュニケーションを十分にとらないと後々「あんなに費用と時間をかけたのにうまくいかなかった。。。」ということになりかねません。

弊所では(というか、ほとんどの事務所では)発明者や知財担当者と十分にコミュニケーションをとって、その企業さんの戦略に沿った提案をしています。

この「コミュニケーションをとる」時間を作ることが、後々、その企業の知財戦略に大きく影響していきます。この一手間で将来の果実の大きさが変わってくるからです。

今知的財産事務所

2017/04/25(火) 12:57 | コメント:0 | トラックバック:0 |
 
新規事業の源にはいろいろありますが、その中の一つに大学の研究があります。例えば、古い話ですが、豊田合成の青色LEDは赤崎先生の研究がもとになっています(→豊田合成のHPはこちら。2017/4/17検索)。

他にもいろいろあると思いますが、大学の研究が新製品や新サービスの源になることは多々あるでしょう。

ただ、ここで気を付けなければならない点があります。

それが、大学と企業とでは射程が異なる、という点です。

何かというと、大学では基本的に研究が主目的で、必ずしも商業的なレベルまで研究結果を発展させることまで意図していません。中には製品開発レベルまで検討してくれる大学や大学の先生方もいらっしゃいますが、それでもやはり軸足は研究にあり、その研究タームは長期にわたります。

一方の企業は、期間の長短はあるにしろ、最終的には市場に製品・サービスを出すということを考えているので、大学における研究タームよりかなり短いタームで物事を考えています。

すなわち、大学におけるフェーズ(基本的には研究)と企業におけるフェーズ(基本的には開発)とが異なっているだけでなく、体に染みついている時間の感覚も異なります。

したがって、大学の研究を製品開発レベルまで持っていくには、企業側の相当の努力が必要です。

その際には、企業と大学との間で、フェーズの違い、お互いが考えている時間の違い等を擦り合わせる必要があり、この擦り合わせがないと、徐々にお互いの間に摩擦が生じていきます。

大学には様々な新規事業のネタが埋もれていると思いますが、それを事業化しよう、というときには企業側が積極的に大学と企業との間の溝を埋める努力が必要になってくると思います。その際には、その「ネタ」で、どのような社会を実現しようとしているのか、どのような価値を社会に提供していこうと考えているのか「大きな絵」を描き、それを共有することが成功の1つのポイントになってくると思います(その際に、デザイン思考が重要になってきます。)。

今知的財産事務所

2017/04/17(月) 17:59 | コメント:0 | トラックバック:0 |
 
知的財産権の取得・維持には費用がかかります。その一方で、知的財産権により経営上、どのような効果が出るのかについては見えにくいことが通常です。

したがって、費用がかかるお荷物に見られがちです。

しかし、このような見方は「受益」、つまり、自分たちがいかにして利益を得るのか?その利益を増大させるにはどうするか?という観点からの思考に偏っているのではないかと思います。

では、思考の偏りをなくすにはどうするか?

それは、「与益」を考えるということです。すなわち「与えるべき利益と用役を増大させる」※1という考えを軸におく、ということです。そうすることで、「与益から生じる受益を最適にする」※1という視点、つまり、巡り巡って自社に利益が返ってくる、という循環型の視点を持ったうえで、ビジネスシステムを構築することが、知財をうまく活用するための第一歩だと思います。

ドラッカーも「顧客はだれか?」を考える重要性を説いていますが、これも、ある意味「与益」を考えることに通じるのではないでしょうか。

現在、ある意味、流行りの多くの知財経営コンサルティングは、知財で利益を得る、というように、どうすれば自社が儲かるか?という視点に偏りすぎている気がします。

もちろん、利益を出す、利益を増大させるという点が重要であるのは当然です。

しかし、知的財産は社会に有用な価値をもたらすからこそ尊重される財産になり得るという面があり、また、もしイノベーションを興そうとするなら、正しいイノベーションの意味※2を考えれば分かるように、「与益」という観点がまず来なければイノベーションも起こせません。

この観点が抜け落ちてしまうと、早晩、(間違った)知財経営は行き詰まるのではないかと思います。

『与益』という観点から経営戦略を再検討する必要が、今後、出てくるのではないでしょうか。

そして「与益」を考える際、デザイン思考が重要になってきますが(デザイン思考について述べた本(共著)が出る予定なのですが、なかなか出ません…)、それは別の機会に。

今知的財産事務所


※1 菊池純一(2009)『経営に役立つ知財戦略 -なぜ、与益主義のシステムを提案するのか-』、特技懇(No.255)、27-35頁(2009年11月)
※2 世の中に社会や生活を変えるような新たな価値を提供し、社会にその価値が広まって初めて「イノベーションが起きた」と言えます。したがって、新技術を開発しただけではイノベーションになりません。

2017/04/10(月) 14:32 | コメント:0 | トラックバック:0 |
新規事業のネタや、ようやく把握した顧客ニーズを満たす製品・商品・サービスを提供するために必要な技術や知見等が自社内にあったり、自社で創り出すことができるのであれば苦労しませんが、なかなかそうはいきません。

そこで、外部から様々なネタや知見を仕入れる必要が出てきますし、外部と協力する必要が出てきます。

そのような「仕入れ先」、「協力先」の一つに、大学があります。いわゆる、産学連携ですね。

産学連携の際に必ず浮上してくる問題が、知的財産の取り扱いです。

大学と企業とでは、研究開発に対するスタンスや研究開発の「フェーズ」に対する認識が全く異なることが多いので、実際に共同研究する場合には、その認識の違いを丁寧に埋めていく必要があります。

その上で「共同研究契約書」を作っていくのですが、きちんとした産学連携本部が大学になかったり、知財部や法務部が実質的にない中小・ベンチャー企業では、このような契約書の作成が疎かになったり、古いひな形を使いまわしたりしてしまいがちです。

そこで、文部科学省が、大学と企業との間で締結する共同研究契約書のひな形(さくらツール)を、知的財産の帰属が大学にあるのか企業にあるのか、企業が独占的に使用できるのか非独占的にしか使用できないのか等の切り口から11の類型に分けて公開しています(→HPはこちら。2017年4月7日検索。)

文科省のホームページには解説付きのひな型もありますので、契約書の条文の意味も理解しやすくなっています。

このようなひな形を参考にすれば、これまで契約に労力を注げなかった中小・ベンチャー企業でも、なんだか分からないうちに契約してしまった、ということにはなりにくくなるのではないでしょうか。

ただし、文科省のホームページにも記載されていますが、ひな形はあくまでひな形です。実際には、上でも述べましたが、大学側と企業側とで認識の違いを丁寧に埋め、どのような契約がよいのかを詰めていき、その結果を契約書に反映させる必要があります。

このようなひと手間がないと、形があっても魂が入らないというか、実際に問題が起こった時に契約書が全く役立たず、ということになりかねません。

ひな形をそのまま使えばいいや、と思うかもしれません。確かに通常はひな形でも十分でしょう。しかし、将来、何が起こるのか予測できないのが常ですので、単に契約書を交わすだけでなく、お互いの信頼関係を築きあげるという意味でも、最初から認識の違いがあることを「認識」し、その違いを埋めていくプロセスが重要になってきます。

今知的財産事務所

2017/04/07(金) 11:06 | コメント:0 | トラックバック:0 |
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