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プロフィール

【弁理士】今 智司

Author:【弁理士】今 智司
今(こん)知的財産事務所の所長ブログです。2011年1月に独立開業しました。MOT系弁理士です。知財はビジネスに役立たせてこそだ!と考え、技術、デザイン、ブランドの知財複合戦略を考えています。

今知的財産事務所

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自動車のみならず、様々な交通機関とITとを組合わせ、自動車の「非所有」の流れが強まっているそうです(→自家用車ゼロへ 北欧がしかける「MaaS」革命、2017年5月10日検索。)。コネクテッドカー(ネットに常時接続している自動車)が活用されています。

もう15年以上前になりますが、企業勤めの時に、ある自動車会社の研究所の研究員数名と、私が勤めていた研究所の数名の人間とで(私も含みます)、「近未来研究会」と称し、「国際的な視点で未来の社会(約10年後)を考えた時、我々技術者としていまなすべき事は何か。」と題して研究をしたことがあります。

その当時、私は「消費から利用へ」というコンセプトのもと、自動車会社の人とコンセプトカーを考案し、その車についてプレゼンをしたのですが、ここの所話題に上っている「コネクテッドカー」も同様のコンセプトに基づいているかもしれません。

但し、当時は「コネクテッド」まで発想できませんでした。あくまでも自動車単体での発想にとどまっていました。したがって、提案したのは、あくまで「自動車単体」にとどまっていたのです。

この違いは何かと考えると、あるコンセプトのもと、そのコンセプトに基づいてビジョンを描き、そのビジョンの実現のために努力することがデザイン思考として重要だと思うのですが、このビジョンの設定が甘々だったということです。

「自動車」というと、技術者目線では、ついつい「技術」にのみ目が行きがちですが(しかも、自動車会社の研究者・開発者なら、まず「自動車」自体に目が行きがちです)、自動車が使われるのは「社会」です。「社会」の中でどのような役割を果たすのか?コンセプトを実現するためにはどのような社会を実現すればよいのか?等々を様々なフィルターを外して考えて初めて、実のある提案に結びつきます。

上記研究会において、社会情勢や資源環境等、様々なことを調査したのですが(世界国勢図絵なんてのも活用しました)、それでも結局、社会システムの構築まで考えが至らなかったのは、当時はまだまだ広い視野を持つことができていなかった(鳥の目を持っていなかった)ということが原因の1つだったのだろうと、いまでは思います。

深く技術を探求する事のみならず、広く社会を見渡す目を意識することも重要ですね。

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2017/05/10(水) 22:18 | コメント:0 | トラックバック:0 |
 
「AIで日常生活の先回り提案」(→ニュースはこちら。2017年5月1日検索。)とか「人工子宮でヒツジの赤ちゃんが正常に発育」(→ニュースはこちら。2017年5月1日検索。)といったような研究に関するニュースを見ると、星新一さんのショートショートを思い出します。

昔読んだ頃は、星新一さんのショートショートのような社会は、まだまだ先の話だろうと思っていましたが、ここまで技術の進展が早いと、現実のものとなるのもそう遠くはない未来だと思います。

このような研究が進んでいくと、様々な分野の人々の協働が必要になってきますが、「様々な分野」は、いわゆる科学(サイエンス)の分野だけではNGでしょう。サイエンスのみでは解決できない課題が発生するからです。

例えば、プライバシーや個人情報の問題等においては、すぐに頭に浮かぶのが法律が絡んでくるということです。

また、バイオのみならずロボットの分野でも、人間社会に適用するのであれば、サイエンスのみならず人文科学や社会科学も複雑に絡んでくるでしょう。

とすると、異分野連携を前提にして物事を進めていかないと、研究がかなり進んだ段階で初めて「これはまずい!」ということになりかねません(しかも、その異分野連携が、適切な分野の連携でなければ意味がありません。)。

この異分野連携、掛け声だけで終わってしまうようなことがないようにしなければなりませんが、将来展望まで見据えたビジョンと、ビジョンを達成するための戦略をきちんと立案し、支えていく人々、つまり研究自体には携わらなくても裏で支える人々もその連携に参加するべきだと思います。技術者・開発者のみの視点では、どうしても、偏りがちなので。。。

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2017/05/01(月) 19:03 | コメント:0 | トラックバック:0 |
 
新規事業を考える際に限りませんが、新商品・サービスを検討する際に、「お客さんが誰か」をきちんと検討していないことがよく見られます。

「お客さん?そんなの分かり切ってるよ!」と考えてしまった人は、要注意です。本当のお客さんは想定しているお客さんとは違うかもしれませんし、いま目の前にいるお客さんよりも『目の前にいないお客さん』の方が圧倒的に多いことが普通だからです。

どういうことかというと、最終的な消費者に商品・サービスを提供している会社を除き、通常は、目の前のお客さんの先に「お客さん」がいるからです。しかもその「お客さん」の先にも更に「お客さん」がいるかもしれませんし、想定していない所(つまり、現在の市場以外の市場)にも「お客さん」がいるかもしれません。

BtoBで考えればよく分かります。自社のお客さんが最終消費者ではない限り、自社のお客さんのその先に、本当のお客さんがいます。そして、社会の状況は非常に早く変化しています。お客さんがいまの市場内だけではなく、他の市場にもいるかもしれません(例えば、カモ井加工紙(岡山県倉敷市)さんのように、業務用のマスキングテープが一般の女性向けになっている例もあります。)。

このように「お客さんが誰か」をきちんと検討していないと、売れるものも売れません。

更に、この点をきちんと検討しておかないと知財戦略上も片手落ちになります。

例えば、特許を考えましょう。

特許では「特許請求の範囲」という項目で、実際に欲しい権利を文章で規定します。「お客さんが誰か」ということを検討していないと、特許請求の範囲に記載する発明の対象が不適切になることがあります。

以前、あるお客様の知財戦略を検討させていただいたときのことです。そのお客様はBtoBのお客様であり、直接のお客様の先に更にお客様がいました。

直接のお客様に自社製品を扱ってもらうために、「うちはこの製品について特許を持っています。他社ではまねできませんよ。」と言ったとしても、競合他社が代替品を安く提供してしまうと、シェアを高く維持できるとは限りません(むしろ、特許製品だからと言って性能に比べて相対的に価格を高くしてしまうと、競争力が落ちるケースもあります。)。

そこで、直接のお客様の更に「先のお客様」に選択してもらえるように、「先のお客様」の立場でどのような権利内容にすればよいのかを検討して特許出願するということになったのです。結果として、ある程度はうまく行ったのではないかと思います(もちろん、特許面以外の様々な面での施策も必要ですが。)。

このように、「お客さんが誰か」をきちんと検討することは、知財戦略上も重要になってきます(もちろん、他の知財権、例えば、商標などでも、指定商品・役務を考える際に、重要になりますね。)。

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2017/04/14(金) 16:37 | コメント:0 | トラックバック:0 |
 
技術をデザインに活用することは昔から行われてきたことだと思いますが、最近は、より「技術とデザインの融合」が『目につきやすい形』でなされる例が増えてきた気がします。

ロンドンに拠点を置く「THEUNSEEN」(創設者:Lauren Bowkerさん)が面白い衣服や様々なアクセサリー(身回り品含む)を提案しています(→ホームページはこちら。2017年4月5日検索。)。

コンセプトは、目に見えないデータを色によって可視化する、というものだと思いますが、使っているのは、周囲環境(熱、圧力、湿気、或いは光等)により色が変化するインクです。

このインクを使って衣服を着色すると、例えば、周囲の温度が変化した場合や風があたって冷やされた場合に、その部分のみ、色が変わります。布の小片を組み合わせて作ったような衣服がTHEUNSEENのホームページに掲載されています。

また、衣服だけでなく、例えば髪の毛をこのインクで染めることで、周囲の温度変化によって色が変わったりします(風に髪がなびくと、それに応じて髪色が変わるという、見ていて面白い効果がありそうです。)。(→CNNの記事はこちら。2017年4月5日検索。)。

更に、革製品をこのインクで着色すると周囲の圧力変化によって革製品の色が変わるので、例えば航空機の座席を革張りにし、革をこのインクで着色すると、航空機の高度変化により座席の色が変わったりします。

衣服にこのインクを応用した場合、着ている人の感情によっても色が変わるみたいですね(体温変化や発汗によって色が変わるということです)。

このような色の変化は、Bowkerさんによると、木の葉が季節によって色が変わることや、果物が熟すことによって色が変わる等の自然を模倣することに基づくとのこと。

いわゆるバイオミミクリーですね。

これだけなら、単に面白グッズで終わってしまいそうですが、そもそもBowkerさんは、自分の脊椎の状態をモニタリングできるような製品を作りたかったそうで、THEUNSEENの目的も「日常生活に役立つ製品を作ること」であるとしています。

CNNの記事においてBowkerさんは「色はユニバーサル言語だ」と述べていますが、色をコミュニケーションツールとして捉えている点も面白いですね。

このように、しっかりした目的のもと、適切なコンセプトを創って製品・商品を作っていく、というプロセスがあると、何らかの新技術をどう使ってよいのか分からない、分からないから技術があってもうまく行かない、というようなことには陥り難くなると思います。

今知的財産事務所

2017/04/06(木) 00:05 | コメント:0 | トラックバック:0 |
 
MOTで学んでいたときの資料を見直していて、ふと思い出したことがあります。
 
それは、20年ほど前のことですが、ある会社で車好きの人と話をしていた際に、ちょっと議論になったことです。

何かというと、当時はいまより交通事故で亡くなる方がとても多かったので、どうしたら事故を減らせるか?というような内容でした。

私は、どちらかというと特に車好きという訳でも車に詳しいという訳でもなかったので、運転手が無茶な運転をしたりしないように機械制御したり(急発進ができないようにしたり、法定速度以上のスピードが出ないようにしたり、自動運転させる等)、アクセルとブレーキを間違えないような機構を開発すべき等々、基本的に人間の動作を信用しない立場で話していました。

しかし、相手は、「機械が暴走したらどうするのか?」、「運転でミスする事なんてまずありえない」、「アクセルとブレーキを間違える?そんなことは普通に乗っている人にはありえない。」、「そもそも、なぜそんな制御が必要か分からない」等々、全く議論がかみ合いませんでした(というより、なぜ機械によって制御する必要があるのか、その必要性が理解できず、「は?」という感じのようでした。)。

このようなことは結構、日常的に起こっているような気がします。

例えば、素人の、いろいろと疑問に思ったり、素朴に「なんでだろう?」「こうしたらいいのに」というようなことを見たり聞いたりした「プロ」が、「なに言ってんだ。そんなことできるわけがないし、必要もない。」と一刀両断に斬るような場面がそれです。

どのような道でも「プロ」は「素人」より数が少ないでしょう。

ということは、見方を変えれば、いわゆる素人の疑問や要望を初めから排除せずに真剣に考えてみると、ブレークスルーが起こる可能性が出てくることになるのではないでしょうか。

一見してプロができそうもないな、というようなことを実現できれば、それはやはり「よっしゃ!」というようなことになると思います。

日々何気なく「斬り捨て」ていることの中に、実は、何か大きな種があるかもしれません。

今知的財産事務所

2017/02/02(木) 18:49 | コメント:0 | トラックバック:0 |
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